あなたは自分の気持ちを、人に正確に伝えることはできますか?
私は10代の頃、ひどく内向的で、自分の気持ちは我慢しておけば良いと思っていました。
我慢して自分の心を騙し続けていると、私の心は鈍くなっていき、自分が喜んでいるのか悲しんでいるのか、自分の心の声が全くわからなくなっていた頃がありました。
その頃の人生は全く楽しくなく、早くこの世から消えてしまったほうがマシだという気持ちだったと思います。
そんな自分を生きやすく変えるヒントの一つとなったのがアサーティブコミュニケーションです。
うまく自己主張することができずに我慢している方、または自己主張しすぎて人間関係がうまく築けない方に、この記事をヒントにコミュニケーションの仕方が変わり、少しでも生きやすくなっていただければと思います。
アサーティブコミュニケーションとは
アサーティブコミュケーションとは、自分も人も大切にすることができるコミュニケーションです。
自分が我慢する、相手に我慢をさせる、そういったことを強いることのない方法です。
うまくコミュニケーションがとれない人には、ある傾向があります。
そのパターンに気付くだけでも、良いコミュニケーション方法を選択できる一歩となります。
コミュニケーションのパターン
コミュニケーションのパターンには4つあります。
自己主張を押し通す「攻撃型」
人間関係を勝ち負けで判断し、常に言い負かさないと気がすまないタイプ。
相手を見下して自分の優位を保とうとしたり、相手の気持ちを無視して自分の要求を通そうとします。
人の意見を聞かないため、周りは意見を言うことを諦めてしまいます。
自己主張ができない「受身型」
自分のことを後回しにして我慢を重ね、ストレスを抱えてしまうタイプ。
「自分さえ我慢したら良い」という気持ちで人と接してしまうので「NO」ということができず、辛い思いをしがちです。
溜め込んだストレスが爆発して体調を壊してしまうことがあります。
遠回しに自己主張する「作為型」
言いたいことは直接言わず、周りをうまく操作して自分の主張を通そうとするタイプ。
嫌みをいったり悪い態度をとり、相手に罪悪感をもたせることで人を動かそうとします。
相手を尊重し、自己主張もできる「アサーティブ型」
相手の気持ちを受け入れながら、自分の気持ちもしっかり伝えることができます。
人を傷つけることなく良好な関係が築けます。
読んでいて、「私はこれだ!」というものはありましたか?
わかりやすく各パターン別で具体的なコミュニケーション例をあげてみます。
各パターン別で具体的なコミュニケーション例
攻撃型のコミュニケーション例(夫婦編)
妻「ゴミ出しておいてって頼んだのに、こんな簡単なこともできないの?!」
夫「ごめん、朝寝坊しちゃって」
妻「もう貴方に期待するだけ無駄!」
夫「……」
このような場合、夫がゴミだしを忘れたことが原因であったとしても、言い方次第で夫婦の関係も悪化してしまいます。
それでは、アサーティブ型での場合をみてみます。
アサーティブ型のコミュニケーション例(夫婦編)
妻「今朝、ゴミだし忘れてたよね」
夫「ごめん、朝寝坊しちゃって」
妻「昨日仕事で帰りが遅かったから疲れていたんだね、ゴミだしが無理なときは一声かけてくれる?二人で忘れないように気をつけよう」
夫「そうだね、本当にごめん。気をつけるよ」
アサーティブな態度を示した場合、相手の気持ちになり理解をしめしながらも、解決方法を二人で探ることができます。
結果、夫婦の関係も良好なものになります。
受身型のコミュニケーション例(職場編)
上司「悪いけどこの作業、今日までにやっておいてくれる?」
部下「(今日はもう作業が一杯なんだけどなあ)…かしこまりました。」
上司「あと、このチェックまでしっかりやっておいてほしい」
部下「…はい(今日は残業だな)」
よくある光景ですが、部下の負担を上司が把握しておらず、部下のストレスだけがたまっていきます。
全く自己主張ができていないというところが一番問題で、このようなことを続けていると体調を崩してしまうことがあります。
アサーティブ型のコミュニケーション例(職場編)
上司「悪いけどこの作業、今日までにやっておいてくれる?」
部下「申し訳ございません。今日までにやっておかないといけない業務がすでに詰まっておりまして、明日の定時まででしたらできると思うのですが」
上司「そう、じゃあ他の人にも頼んでみるよ」
部下「お力になれず申し訳ございません。今の作業が早めに終わりましたら報告します。」
自分がどれだけの業務を抱えているかを正しく説明できれば、上司も意外とすんなり他の方法を探すことがあります。
ただ自己主張するだけでなく、代替案を提示することで、相手の気持ちに寄り添うことができます。
人間関係が良好になるだけでなく、このような調整ができる人は仕事ができる人として評価されます。
作為型のコミュニケーション例(職場編)
後輩「この日にお休みしたいんですが」
先輩「ふーん。新人は良いよね、忙しい時でも休みやすくて」
後輩「…すみません、この日も出勤したほうが良いですよね」
先輩が遠回しに伝えている結果、後輩が嫌な気持ちになってしまっています。
こんなコミュニケーションをとっていては、相手に苦手意識をもたれてしまうことも多いです。
何よりも人間関係は良好にならないのは目に見えています。
遠回しに言わず、率直に自分が困っていることを伝えると、相手も汲み取ってくれます。
アサーティブ型のコミュニケーション例(職場編)
後輩「この日にお休みしたいんですが」
先輩「うーん、この日は繁忙期で忙しいから困るんだ。希望の日にできずに申し訳ないけれど別の日にお休みとってもらうことはできるかな?」
後輩「そうなんですね、すみません。別の日でまた希望を出しますね」
相手の気持ちを考えつつも、自分の困っていることも素直に伝えることで、後輩も断られていたとしても、無意味に嫌な気持ちになったりすることはありません。
アサーティブ型になるためには下記がポイントとなります。
アサーティブ型のコミュニケーションのポイント
・下からでも上からでもない堂々とした態度で素直に話す
・相手の気持ちを思いやる
・自分のできる範囲の代替案を提案する
・素直に感情的にならず自分の気持ちも伝える
まとめ
アサーティブコミュニケーションは、リーダーシップ研修などで取り入れられビジネスの場でも活用されていますが、私にとっては仕事だけではなく、友人や恋人とのコミュニケーションにも変化があり自分の人生を素直に楽しむ鍵になったように思います。
コミュニケーションがうまく取れない、または人に思うように自分の意見が言えないと、昔の私のように同じように悩んでいる方の参考に少しでもなりましたら幸いです。
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